2017年9月号「防災用品の活用」

公的な支援が遅れることを想定して、マンション内で救助活動や被災生活が出来るように、マンション全体で防災備蓄品を用意することが必要です。

坂入産業様で近年私が監修のお手伝いをさせていただいている物件にはマンション内に防災備蓄倉庫があり、防災用品が備わっています。せっかくの防災用品も活用方法を知らなければ災害の混乱時に取扱説明書を読むことから始めることになります。

すべての防災用品は、訓練を通じて保管場所の確認やメンテナンスを兼ねて使い方を知っておく必要があります。下記で上げた資機材を一例に、まずは備蓄倉庫にある防災用品の項目や数量を確認し、訓練時に動かして慣れておきましょう。

防災用品の活用例

  1. 発電機と投光器
  2. 災害対策本部(→「2017年5月号コラム/災害対策本部運用訓練」参照)の運営を円滑に進めるために、発電機と投光器が用意されています。燃料のストックは多めに用意して、訓練で消費したらその都度買い足すようにしましょう。

  3. ロープ
  4. 災害による被害で立ち入ることが危険な箇所が出てくることがあります。災害対策本部の情報班は災害後にそういった建物内の危険箇所がないか確認して、ロープを使って住民が立ち入ることができないように使用できます。他にも、救助や搬送などあらゆる用途に使用できます。ロープの縛り方を学んでおきましょう。

  5. 担架
  6. 傷病者を搬送するのに役立つ担架ですが、傷病者がいないときは物資を運ぶ際にも重宝します。担架を使った搬送訓練を通じて、災害時にどのような活用方法があるかを考えてみましょう。

  7. 大型バール
  8. 地震の揺れで枠が変形してドアが開かなくなることもあります。このとき、変形の程度が大きく施錠されていなければ、バールを使ってこじ開けることができます。ドアと枠の隙間にバールの先端を差し込み、てこの原理を利用してこじ開けます。

このように、それぞれの状況に応じて何がどのように役立つのかをイメージできるようにしておくことが重要です。

基本的に、坂入産業様のマンションに標準装備されているのは、居住者が共有して使用する防災用品であり、自助と共助の責任や役割を踏まえつつ、飲料水・食料品・ランタンやトイレなどは各家庭で備えることを前提にしています。標準装備の防災用品は災害時の状況を踏まえ、あらゆる場面で役立つ用品を選定してますが、居住者数や居住者の家族構成等に配慮して、新たに用意するべき防災備蓄品の必要性についても検討しておきましょう。

国崎信江氏プロフィール

内閣府「中央防災会議首都直下型地震避難対策等専門調査会」専門委員、土木学会の「巨大地震災害への対応検討特別委員会」委員などの経験から、危機管理アドバイザーとして、現在は文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員会」委員、消防庁「地域防災計画における地震・津波対策の充実・強化に関する検討会」委員、気象庁「緊急地震速報評価・改善検討会」委員を兼任。全国で防災・防犯対策の講演を行う傍ら、各メディアにも多数出演し、防災・防犯情報に関する啓蒙活動に注力。『マンションみんなの地震防災BOOK』(株式会社つなぐネットコミュニケーションズ発行)をはじめ著書多数。

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