2019年9月号「豪雨から命を守る上階避難の取組み」

地球温暖化の影響による都市部の内水氾濫に備えましょう

・2015年:鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市に広範囲の水害被害をもたらした「関東・東北豪雨」。
・2016年:6月の梅雨前線停滞で西日本各地に記録的大雨が発生。同年8月の「北海道・東北豪雨」による高齢者福祉施設の入所者被害。
・2017年:「九州北部豪雨」による福岡県朝倉市や東峰村などで発生した大きな被害。
・2018年:「西日本豪雨」による、死者275人(災害関連死含む)を出す平成最悪の水害。
・2019年:7月に九州南部で発生した記録的大雨。

このように、ここ近年連続して人的被害が出る土砂災害や浸水被害が起きています。

地球温暖化の影響によって今後も短時間強雨や大雨は増加する傾向にあり、それに伴う土砂災害や水害の発生頻度も増加すると考えられます。近年は、記録的な長時間の降雨と短時間高強度の降雨が発生することで、洪水氾濫と内水氾濫が同時に発生する事態も起きています。もし、首都圏でこのような豪雨に見舞われた場合、平成11年に福岡県を襲った豪雨のように駅一帯が冠水し、駅の地下街や地下鉄が浸水するような被害が出るかもしれません。緑が少なく、地表をコンクリートやアスファルトで覆われた大都市は、雨水が地下に浸透しないので保水能力が低く、短時間で排水路や下水管の大雨処理能力を超えて内水氾濫に至る恐れがあります。

災害時の互助のためにも、マンション内で良いお付き合いをしましょう

まず、ご自分の住んでいる地域のハザードマップを見て水害リスクを確認し、浸水の危険性があるならマンション全体で水害対策を考えましょう。また、低層階にお住まいの方は避難するタイミングが重要になります。浸水深が50cmを超えると水圧がかかって、成人の男性の力でもドアは開かなくなります。ドアを押す力は人によって違いますが、女性や高齢者の方であればなおさら閉じ込められないように浸水する前に早めに上階に避難することを心がけましょう。

上階に避難しても何日も雨が降り続いて水が引かないことも考えられます。上階の廊下で数日間過ごすことの無いように、上階の方とお互いに困ったときは室内に誘いあえるような関係を築いておきましょう。水害の時は高層階に避難させてもらい、地震の時は高層階の方を室内に迎えてあげるのです。このように、マンション内に頼れる人を探し、普段から良いお付き合いをしておくといざというときの安心に繋がります。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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