2018年12月号「防災倉庫を見てみよう~整理のポイント~」

マンション内にある防災倉庫の位置や中身をご存知ですか?

近年、建物内に防災倉庫を設置するマンションも増えてきたように思います。しかし、管理組合の役員にならない限り防災倉庫内を見ることがないという実態もあるようです。いざ発災してから防災倉庫の中身を見て、慌てて内容や数量を確認することのないように、マンションにある防災備蓄品を事前に確認しておきましょう。

マンションによっては防災倉庫が一か所とは限りません。どこにどのような防災備蓄品があるのかを全てを把握しておくことが大切です。とくに、防災倉庫の施錠状況や施錠している場合の開錠の方法、鍵があるならその保管場所などについて確認し居住者全員で共有しましょう。

防災倉庫の確認は、発災時の使い勝手を重視して行いましょう

そして、せっかく防災倉庫を確認するのであれば、その機会に防災倉庫の使い勝手についても気にしましょう。例えば、

「配置の工夫」

災害時に使用する順番(初動ですぐに使うものは手前に、被災生活で使う物は奥や上段に)

地震の揺れを考えて重たいものは下に置く

災害時に使用する順番(初動ですぐに使うものは手前に、被災生活で使う物は奥や上段に)

台車で運ぶものはあらかじめ台車に載せて運び出しやすいようにする。(このとき、地震の揺れで走らないように対策をしておくこと)

女性や高齢者が取り出しやすい位置にあるかを確認する

「内容(項目)と数量の把握」

防災倉庫の入り口に備蓄品の一覧表と倉庫内のどこに何が置かれているかを示すマップを作成し、クリアファイルに入れて懐中電灯と一緒にぶら下げておくと、取り出しやすく、品質期限等の管理もしやすくなります。備蓄品の点検チェックシートも作成しておくとなお良いでしょう。

「取扱説明書の整理」

製品と一緒に箱に同封されている取扱説明書を取り出してバインダーに一括してファイルしておくと訓練の時に便利です。また、訓練のときに使用する手順を撮影して資料を作成し、一緒に入れておくと、次回使用するときに安心して使えます。

「備蓄品の準備」

すぐに使えるように、衛生面で配慮しなくて良いものは箱から出しておく(透明のポリ袋をかけておくだけ)、組み立てて支障のないものはスペースに余裕がある限り組み立てておく(パーツを取り付けておく)、住民に配るものは階ごとの居住者の人数で振り分けておくことで、災害時に人手の負担を減らし迅速に使用、配布することができます。このように、防災倉庫の中をのぞいて運用しやすい配置になっているか、備蓄品の管理がしやすい工夫がなされているか、すぐに使用できる準備ができているかといった視点で確認してみましょう。

国崎信江氏プロフィール

内閣府「中央防災会議首都直下型地震避難対策等専門調査会」専門委員、土木学会の「巨大地震災害への対応検討特別委員会」委員などの経験から、危機管理アドバイザーとして、現在は文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員会」委員、消防庁「地域防災計画における地震・津波対策の充実・強化に関する検討会」委員、気象庁「緊急地震速報評価・改善検討会」委員を兼任。全国で防災・防犯対策の講演を行う傍ら、各メディアにも多数出演し、防災・防犯情報に関する啓蒙活動に注力。『マンションみんなの地震防災BOOK』(株式会社つなぐネットコミュニケーションズ発行)をはじめ著書多数。

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