2019年8月号「5段階の大雨警戒レベル」

避難行動に結びつく情報の出し方とは?

2018年7月の西日本豪雨は平成最悪の豪雨災害でした。実は気象庁は事前に、「週末にかけて記録的な大雨となる恐れがある」として厳重な警戒を呼び掛ける会見を開きました。気象庁が台風や大雪以外で会見を開き警戒を呼びかけるのは異例のことです。これは2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊し茨城県常総市で4,200人を越える多数の市民が浸水域から救助される事態となったことを教訓に、逃げ遅れる人を出さないために、できることはするという国の強い意志の表れでもありました。しかし、そのような会見を開いたにも関わらず残念ながら西日本豪雨では死者・行方不明者あわせて273人の犠牲者が出ました。

これまでの気象災害において、国や自治体は避難情報を出すタイミングや住民の避難行動に結びつく情報の出し方(表現方法等)について繰り返し議論を重ねてきました。けれど、国や自治体が出す情報の種類が多く、その情報が何を意味するのかを理解しにくいという問題意識は常にありました。

直感的で分かりやすい「大雨警戒レベル」とは?

そこで、政府は2019年5月29日より大雨による災害が発生する危険度と住民に求められる行動を、「直感的にわかりやすく」理解してもらうために、5段階に区分した「大雨警戒レベル」の運用を始めました。

5段階のなかで意識してほしいのはレベル3とレベル4です。まず、レベル3ですが、避難に時間を要する人(高齢者など)やその支援者は避難を開始し、そのほかの人は避難の準備をするのがこのレベルです。そしてレベル4が発令されたら、危険な地域にいる住民は全員避難します。レベル1および2は国が発表し、3・4・5は自治体が発令します。情報はこれまでのようにテレビ、ラジオ、防災行政無線、市町村から一斉配信される安全安心メール、広報車等で伝達されます。今後、このように5段階レベルを用いて情報が出されますから自分や家族の命を守るために、レベル3と4で行動することを忘れずにいてください。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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