「インフラクライシス」
この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に、お見舞い申し上げますと共に、一刻も早い復興をお祈りいたします。
今回の地震により被害を受けた公共のインフラに対して、その復興が急がれますが、日本全体の問題としてみた場合、潜在的な危機が迫っていることも事実です。
脅かすわけではありませんが、皆さんに考えていただきたく、あえて書かせていただきました。
07年8月1日ミシシッピ川橋が崩落し、111台の車が転落、13人が死亡、145人が負傷したことは記憶に新しい。
最近、気になっていること・・・。
それはインフラクライシスという言葉です。
米国では今、このインフラクライシスが政治問題になっています。
インフラとは私たちの生活に欠かせない公共の社会基盤のこと。
第2次世界大戦が終わり、米国は競って高速道路や橋梁を数多く作りました。それが今、老朽化が進み、特に橋梁の架け替えが問題となっています。
全米に60万基ある橋の内、27%が老朽化し、架け替えの時期を迎えています。しかし政府のインフラ整備の予算割合は1960年の12.5%に対して、09年は2.5%720億ドルにしか過ぎません。
今後5年間で改善に必要な予算5兆億ドルに対して、あまりにも少ない整備費といえます。
橋梁だけではありません、堤防や上水道管の老朽化も問題です。
全米で160万kmある上水道管は09年には24万回以上も破裂事故が起こっています。
一方、日本はというと、07年の「気候変動サミット」で石原都知事が東京都の上水道漏水率は3.6%だと胸を張りました。
メキシコ市約35%、ロンドン約26%と比較すると驚異的な数字です。確かに日本では江戸時代以降上水道が整備され、鉄管や鉛管の割合は減っています。
しかし、「日本列島改造計画」で始まった公共投資は80年度から90年度にかけて、30兆円から35兆円と大盤振る舞いの状況が続きました。今、そのつけがじわじわと押し寄せてきています。
コンクリートの耐用年数が50~60年とすると、今後多くの公共建造物が大規模な補修・改築が必要で、その予算は膨大な数字になります。
昨年、国交省は「老朽化が進む道路やダムの維持管理や更新費用の増加で2037年度には新規公共投資が出来なくなる」と発表しました。
今後は老朽化が進んだ橋梁の通行止めや車両の重量制限が各地で行われるでしょう。
日本はこれから世界に先駆けて、人類がつて経験したことのない人口減少と高齢化社会に突入します。
25年後には3人に1人が65歳以上の高齢者という現実を目の当たりにして、行政の対応を嘆くより、各個人が今から準備していくしかありません。
永遠に繰り返される自然の営みに対して、人間が作り出した造形物の有限さ・はかなさを思い知る、いい機会ではないでしょうか・・・。












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