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建築現場における職人不足が拡大価格の上昇が懸念される住宅市場。

職人不足が慢性化、5か月連続過不足率2%台

今年1月27日に国土交通省は、昨年12月の建設労働者の需給調査結果を発表しました。全国の8職種の職人について、12月では2.5%の不足となり、不足幅が前月比で0.4ポイント拡大しています。これで、連続して5ヵ月間2%台の不足となり、職人不足の慢性化が広がっています。このうち不足率が高いのが、とび工の4.1%で、建築鉄筋工などを含めた全体でも3.5%以上も不足しています。全国の建設業者約3,000社を対象とした調査でも、2月の建設労働者についての確保の見通しは、「困難」と「やや困難」の合計が48.3%と高い数値を示しています。これは、前年同月比で22.8ポイントも上昇し、職人不足と建築資材の高騰から、公共工事では市場価格が建設予定価格に反映されていないケースも続出しています。

建設労働者の不足が、公共事業でも深刻化

公共事業における建設労働者の不足について、例えば築地市場の移転では、青果場など主要3棟の入札が見送られるなど、公共工事の入札は不調になっています。建設バブルともいわれる好況感があるなかで、建設労働者の不足は深刻です。1月21日に太田国土交通相は、公共工事の入札不調について、発注する自治体へ予定価格の見直しを要請。建設労働者の賃金や、建築資材価格が上がった分を予定価格に反映するように求め、公共工事の設計と労務の単価はすでに引き上げられています。建設労働者の不足は、工期の遅れと建設費にも関わってきますので、東北復興や東京五輪に向けた建設、交通インフラ整備などを控える昨今、今後の影響が懸念されています。

価格の上昇が懸念される住宅市場

インフレ目標を2%に掲げたアベノミクスが、昨年から発動されて、行き過ぎだった円高も解消されるなど、上場企業の業績も2014年3月期では、前年度から約30%以上もの増益になっています。個人消費も回復しつつあり、有効求人倍率が改善して、経済政策の大転換となった面もあります。
こうした景気回復が日本経済全体に及びつつある状況を背景にして、建設労働者の不足と建設資材の高騰による影響が、今後ますます顕著化する見込みです。現在すでに建設工事費は上昇傾向にあり、今後半年から1年先に向け、住宅市場における分譲マンションの価格上昇は避けられない情勢になっています。

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