「マンションの備蓄を考えましょう」

備蓄を考える際に、まずやるべきこととは?

前号では、各世帯向けの備蓄品を紹介しましたが、今回はマンションとしてどのような備蓄品が必要かについて考えてみたいと思います。

備蓄を考える際にまずしてはならないことは、とりあえずこれだけあれば何とかなるだろうという曖昧さで防災用品を揃えることです。防災用品はいつ、誰がどのような状況で利活用するのかといった具体的な目的をもって揃えることが重要です。

発災直後に対策本部を中心に効率よく行動できるよう、被災直後から復旧までに必要なグッズを考えます。対策本部と班ごと(情報班、消火班 避難誘導班 救助救護班 生活班など)にそれぞれの役割と初動体制、活動に必要な資機材とその保管場所を整理しておきます。時間があれば救助、消火、避難誘導などの訓練を通じて必要な資機材を検討するのが理想です。

備蓄を考える際に、まずやるべきこととは?

参考までに、対策本部に必要なものとして、ホワイトボード・模造紙とマジックペン・ガムテープ・カッター・ハンドマイク・発電機・投光機、ラジオ・ワンセグ・大型懐中電灯・デジタルカメラ・無線機(トランシーバー)など。

初期消火・生き埋め者救助・負傷者搬送・救護・避難誘導と応援要請活動に必要なものとして、ハンドマイク・笛・無線機・大型懐中電灯・バール・ハンマー・油圧ジャッキ・消火器具・ヘルメット・革手袋・マスク・腕章・ゴーグル・担架(階段で回れるか確認)・テント・発電機・外傷救急手当用品・AED・毛布などがあります。

備蓄以外で、忘れてはならない準備品とは?

また、備蓄倉庫に入れるものだけでなく、忘れてはならない準備品があります。たとえば、「安否情報メモ」を事前に作成し配布しておくことです。各居住者に対して、家族の安全が確保されたら玄関の外側に貼ることを周知・徹底させます。「無事」であり、「支援不要」の意思表示をすることで、一戸ずつ確認する手間を省き、支援を求めている人の居場所を絞り込むことができます。他にも、建物や設備の被害を確認する際の「災害時の建物点検リスト」です。専門知識がなくても見落としがないように、あらかじめ構造体や設備などの確認項目やどのような異常について確認すべきかについて一覧にしたリストを作成しておきます。有事には被害箇所にチェックを入れるだけの作業の簡素化を工夫しましょう。居住者の救出、応急手当、消火活動といった一刻を争う事態には、居住者の力が不可欠です。対応に必要な防災備蓄品は、保管場所を居住者に周知し、使用方法の確認や管理を定期的に行いましょう。また、防災備品予算の確保には自治体の補助金制度の有無を確認するとよいでしょう。

備蓄以外で、忘れてはならない準備品とは?

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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