「災害で小さい子どもが困ること」

災害後の住環境や食生活の悪化から、子どもを守りましょう。

大規模災害が起きれば、被災した環境のなかで大人でも大変な苦労をします。ましてや子どもにとっては極めて負担が大きくなります。震災直後の町はホコリや火の粉、壊れた建物からの粉じんやアスベストなどが飛び散っています。子どもがこれらを吸うことで呼吸器系の疾患を生涯にわたり患うことにもなりかねません。

避難所での生活も、体温調整ができない赤ちゃんにとっては過酷で、寒さで風邪をひいても小児用の薬が手に入りづらく、小児科の医師も不足している中で体調が悪化してしまうこともあります。暑さであせもや湿疹によるかぶれ、アトピーがひどくなることもあります。被災直後は赤ちゃんのミルクや離乳食の入手にも苦労します。新潟中越沖地震の被災者の声として、「震災当日の深夜に突然焼肉弁当が支給されたが、離乳食中の子どもはそれが食べられずたいへん困った」という話もありました。

避難所における食事は健康面にも大きな影響を与えます。体育館が避難所に、運動場が駐車場や仮設住宅になり体を動かす場所を奪われ、子どもたちは運動不足になりました。その一方で避難所にお菓子が届くようになると、保護者は子どもを静かにさせるためにお菓子を与えることもあり、いつでも何かを食べている「だらだら食」になりました。 そのため被災地では菓子パンや菓子類の過剰摂取による子どもの肥満や、虫歯になる子どもが増えました。 乳歯が虫歯になってもいずれ永久歯にかわるからと甘く考える人もいましたが、乳歯が虫歯になると永久歯にも影響しますので断水時であっても歯磨きの生活習慣を崩さないようにしなくてはなりません。

子どもがいる家庭では、無理して劣悪な環境に身を置くのではなく、遠隔地の親せきや友人宅、自治体が災害協定を結んでいる地域に「震災疎開」をすることも視野に、対策を考えておきましょう。

事前の備えと、日頃の保護者同士のネットワーク作りをしましょう。

災害に備えて準備するものとして、月齢や年齢によって赤ちゃんや小さな子どもが必要とするものは大きく変わります。災害直後に必要な物資を受け取れるとは限らないので、あらかじめ準備しておくことが大切です。赤ちゃんや子どもは成長が早いので必要な物もサイズもすぐに変わります。中身は季節が変わるごとにこまめに見直しましょう。

また、同じ立場のママさんやパパさんとのネットワークで必要な情報や支援を受けて困難を乗り切った家族もありますから、日頃からそのようなネットワークに参加し交流することも大切です。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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