2016年11月号「津波対策」

東日本大震災では、東北地方の太平洋沿岸を襲った津波によって多くの人命が失われました。これを受けて、津波から国民の生命を守ることを目的に平成23年6月に「津波対策の推進に関する法律」が制定され、11月5日が「津波防災の日」になりました。

ちなみに、3月11日ではなく11月5日になったのは、和歌山県など紀伊半島や四国などを大津波が襲った安政南海地震(1854年)の際に稲に火を付けて暗闇の中で逃げ遅れていた人たちを高台に避難させて津波から救った「稲むらの火」の逸話にちなみ、安政南海地震(1854年)の発生日である11月5日になったそうです。

東北の方々にとっては11月5日が津波防災の日と言われてもぴんとこないと言われていますが、いずれにしても、私たち国民は津波の恐ろしさや先人の教訓を忘れずにいたいものです。

普段から地域の特性を知ることが大切です

海岸線に面した各自治体では、津波によってどれくらいの浸水が予測されるかを地図に表記したもの(津波ハザードマップ)を作成しています。自分のマンションが浸水予想区域にあるなら、いざというときにどこに避難をすればいいのかを検討しておくことが重要です。

津波ハザードマップの浸水深と比較して高台の標高が不十分で、外に避難するよりマンションに留まるほうが安全と判断したならば、上層階に食料や水、救助用具、医療用品、生活用品、通信機器などを備蓄しておきましょう。下階に住まわれている方で浸水する恐れがあるなら、上階の備蓄倉庫に個人の備えを置いていただくのも良いかもしれません。

津波の避難は事前に訓練しておきましょう

マンション内に留まるのであれば津波の避難は下階から上階になります。一般的な避難は「地上(1階)へ逃げる」という行動ですから、マンション管理組合で津波避難の行動について住民に徹底をしておかないと混乱を招くことになります。

どの階以上に避難するのかを明確にして上階に上がる避難行動をスムーズにできるように訓練しておきましょう。

また、近隣の住民が避難することが予測される場合には、自治体と連携して受け入れ態勢を検討しておきましょう。地域住民と居住者が津波到達までに避難できるよう、訓練で有効な避難行動を検証しておきましょう。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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