2016年4月号「地震対策

東日本大震災では東京湾沿岸の埋立地や利根川流域を中心に大規模な液状化が発生しました。その被害規模は世界最大ともいわれています。東京湾の沿岸部だけでも東京ドーム900個分に相当する約42K㎡が液状化し、道路の陥没や隆起、地盤沈下による建物被害、ライフラインや交通網の寸断など、各地に深刻な被害をもたらしました。

液状化が発生すると、道路など一面泥水におおわれるため、道路の亀裂や陥没、隆起の高低差に気づかず、負傷するおそれがあります。マンションでは、できるだけ外出は控え下層階の居住者は上の階へ避難しましょう。ただし、建物が傾斜するなどの被害が出た場合は、速やかに地域の安全な場所に避難しましょう。余震で被害が拡大化することもあるので、油断は禁物です。また、地中の上下水管やガス菅などのも被害がおよぶと、広い地域でライフラインが被害を受け利用できなくなります。埋立地や海岸、河川の近くに住んでいる人は、ハザードマップで液状化のリスクを確認し、十分な備えをしておきましょう。

地震対策

災害に強いマンション

近年のマンションはすべて国の耐震基準を満たして建てられており、震度6強程度の大地震でも倒壊しない耐震構造になっています。

先の大震災では地盤の液状化による被害も広がましたが、液状化のリスクがある場所にマンションを建てるときには多くの場合対策が打たれるため、東日本大震災でも、建物そのものが被害を受けたケースはほとんどなかったといえます。液状化対策は地盤を固めたり、固い砂の杭を打つ方法が多く採用されています。

しかし、駐車場が被害を受けたり、外出ができなかったりなども考えられるので、液状化の想定がなされている地域のマンションは、液状化対策を早めに講じましょう。

建物がゆがむと玄関などのドアが開かなくなるリスクもありますので、玄関ドアが耐震ドアであるかを確認しておきましょう。最近のマンションは、ドアの枠や丁番が耐震仕様となっており、ゆがんでも開けやすい仕組みを採用しているようです。

東日本大震災では、液状化の被害をうけたマンションでは長靴、バケツ、スコップなどを大量に購入したという話もあります。泥対策に必要な物があれば発生直後の売り切れに備えて事前に準備しておきましょう。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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