2016年6月号「水害対策

近年、台風、局地的大雨や豪雨による河川の氾濫による被害が毎年発生していることを受けて、先月は外水氾濫について情報をお伝えしました。

実は、氾濫には2種類あります。雨などによって河川の水位が上がり堤防を越えて一気に大量の水が流れ込むことを「外水氾濫」といいます。もう一つは、雨水の処理能力を超える大雨で、下水の水圧でマンホールから逆流して溢れ、建物や土地・道路が浸水することを「内水氾濫」といいます。

都市部では、雨水が浸透する田畑が少なく、舗装されているために水はけが悪いうえに、自治体で整備してきた1時間あたり50mmの降雨に対して排水能力に対し、近年、50mmを超える降雨が多発しているため、内水氾濫による被害も頻発しています。昨今、短時間に局地的に大雨が降る、(局地的大雨)ゲリラ豪雨が頻発しています。川が近くになくても、内水氾濫の危険性があることを忘れないようにしましょう。

過去に起きた都市部における内水氾濫では、冠水した道路を歩いていて側溝などの深みにはまったり、地下街や地下駐車場からの避難が遅れて溺れたり、車では、高架下の道路(アンダーパス)を通行し、浸水によりエンジンが止まって水圧でドアが開かず亡くなる被害がありました。

大雨が降ったら外出を控えましょう。マンションにおける対策は、「2015年5月号」をご参考下さい。

ところで、家庭から出る汚水と雨水をまとめて「下水」と言いますが、下水を流す方式には「合流式」と「分流式」があります。「合流式」は、汚水と雨水とを同じ下水道管で集めるのに対し、「分流式」は汚水と雨水を別々の下水道管で集めます。合流式では、大雨が降ると水再生センター(下水処理施設)での処理能力を超えるために、雨水で薄まった汚水の一部が、河川に流出してしまう恐れがあります。

東京都では、告示現況図で排除方式(合流式、分流式など)を地図上で調べることができますから、「合流式」の下水方式の地域では大雨の際は洗濯や入浴などで大量に出る生活排水を控えるようマンション居住者に周知しましょう。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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