2016年7月号「雷対策」

雷は季節を問わず発生しますが、気象庁の統計を見ると冬は北陸、東北の日本海側、夏のこの季節(6~8月)は関東などの内陸で、時刻は午後から夕方にかけて多く発生するようです。

昨今は気候変動により雷をともなう豪雨も増加傾向にあります。 落雷被害の増加も予測されることから、今回は、雷に対する知識を高めて、マンションにおける対策を考えましょう。

まず、雷は「高い所・高い物・高く突き出た物や開けたところ」に落ちやすい性質があります。建物の屋上・山の頂上などや、また、周囲に高いものがないグラウンドや、平地が広がる公園・ゴルフ場・屋外プール・堤防・砂浜などは要注意です。

日本では、高さ20mを超える建物に避雷針を設置することが建築基準法によって義務づけられていますが、高さ20mを超えなくてもその地域一帯でマンションが一番高い建物である場合や、近くに高い建物がある場合は直撃でなくても「側撃雷」や「誘導雷サージ」よって被害を受けることもあります。

マンションは、雷が伝わりにくいコンクリートの外壁が多いので、建物内部に被害をもたらす内部の雷対策を強化しましょう。雷がマンションの近くに落ちるとその電流が電線、電話線、アース線、アンテナ線などに伝わってきます。その電流が大きければ、火災や電気機器の故障などの被害を受けることがあります。

エレベーターやインターホンなどの機器に影響が出ないように、配電盤や配線などの設備機器に設置する雷対策(サージ保護デバイス)や、家庭でも、住宅用の避雷器があります。 テレビやパソコンなどの電気機器には雷サージ対応の電源タップを導入するほか、雷が鳴ったらすぐにプラグをコンセントから抜くのも効果的です。 とくにパソコンはデータが消失すると大変な事態になるので、UPS(雷サージ保護機能付の無停電電源装置)を設置するのも良いでしょう。

マンションの管理組合で加入する総合保険では落雷も補償してくれますが、対象範囲は共用部(専有部分以外)の部分になるので、室内の被害については補償してくれません。 マンションでは賃貸物件の場合契約時に火災保険に加入しますが、分譲住宅の場合、住宅用の火災保険に加入しているかを確認し、未対応であれば加入することをお勧めします。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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