2016年8月号「土砂災害対策」

日本には土砂災害の危険箇所が全国に約52万箇所あります。これは、日本の国土が急峻であるがために、山を切り開いて斜面の直下や谷の出口付近まで住宅が開発されているからです。

このような場所では、大雨や地震で地盤が緩むと土砂災害が発生しやすくなります。住んでいる家が傾斜地にあるのなら、各都道府県がホームページで公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域をチェックしましょう。過去に発生したことのない場所でも発生することがあるので、近くに崖地や沢があれば警戒しましょう。

土砂災害では、前兆への警戒と早めの行動が重要。

土砂災害には「崖崩れ」「地滑り」「土石流」の3種類があり、発生する時には、それぞれ何らかの前兆現象が現れます。
▶︎ 崖崩れ → 崖にひび割れ、小石がパラパラ落ちてくる、水が湧き出す、など
▶︎ 地滑り → 地面の陥没、地鳴り、木樹が傾く、など
▶︎ 土石流 → 急に川の水が濁る、流木が混ざり始める、など

2014年8月の広島で発生した土砂災害では、経験したことのないような雨の降り方、強い草の臭いを感じている人がいました。これまでと違うということがあれば、警戒することが重要です。臭いや音、揺れなどを感じて、これが前兆であると気づけなければ意味がありません。

ただし、必ずしも前兆があるとは限りませんし、気づきにくい前兆もあるので、前兆現象がある、ないに捉われすぎるのもよくありません。長雨や大雨で危険を感じたら、避難勧告を待つのではなく今起きている現象から早めに避難するなど、行動に移すことが重要です。

マンションでは、低層階の災害対策をあらかじめ行いましょう。

マンションの建物では、低層階の方は日ごろから斜面側でない部屋に寝る習慣にして、長雨や大雨の時はすぐ近くにラジオを置いて放送を流し続け、常に山の様子を見るようにしましょう。マンションで備えている防災用品や重要な設備は、地下や低層階にできるだけ置かないなどの対策も必要です。

避難のときは、その状況から外に避難するのか、上階に避難すればいいのかをあらかじめ検討し、土砂災害の恐れがあるときの低層階の住民の避難や誘導などの支援体制をマンション全体で考えておきましょう。建物が無事でも低層階が土砂で埋まると外に出られなくなることも考えられるので、非常用品は十分に備えておきましょう。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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