2017年10月号「防災マニュアルの作成・活用」

防災マニュアルは、災害時における住居者、管理組合の行動指針や役割分担を予め決めておくものです。

詳しくお伝えすれば、災害発生時に被害を軽減するために優先して対処すべき行動を効率よく実行するために、役割を決めて最適な行動とその手順を明確にして、その行動に必要な設備や備品、訓練計画等が具体的に示されているものです。

坂入産業様で私が監修のお手伝いをさせていただいているマンションでは、全住戸にマンション毎にカスタマイズされた「防災マニュアル」と「大地震に備えるみんなの防災ハンドブック」が配布されています。このハンドブックには、平時からの備えのポイントや、いざ大地震が発生した時の行動チャートの他、発災後の生活で気をつけるべきポイントについてなど、大地震から自分や家族を守るために大切なことがイラストを交えて分かりやすく記載されています。

防災マニュアルは誰のためにあるのかと言えば居住者のためにあります。「災害が発生した時に、個人としてどうすればいいのか、マンション居住者の一人としてどうすればいいのか」という答えを教えてくれるものですから、ぜひ熟読してください。

お住まいのマンションに防災マニュアルがまだ作成されていない場合は、地震直後から1週間程度を時系列に整えて発災後の安否確認方法や防災備蓄品の使用に関するルール、災害対策本部の役割や具体的な活動内容などを明確にしておきましょう。

防災マニュアル作成について

防災マニュアル作成項目例として、

  1. 災害対策本部の編成と役割
  2. 災害時の連絡、行動フロー
  3. 住居者の安否確認フロー
  4. 建物の安全確認フロー
  5. 非常用設備の利用ルール
  6. 居住者名簿の作成
  7. 防災訓練等の計画と実施
  8. 地域との連携

などについて、マンションの規模や構造、立地等を反映して発災時の災害対応を考えましょう。

そして実際の入居者の特性を踏まえて、マニュアルを改訂していくことも大切です。マニュアルのように動けるかを訓練で検証しましょう。その結果を受けて、居住者で改善点を検討しマニュアルに反映します。これらを繰り返し実施することで、実践に即したマニュアルになります。

さらに、マンションで傷病者が出た場合の災害時医療拠点に関する情報、給水場所、消防水利の場所など、自治体が発行している防災マニュアルの重要な情報も追記しておくと、いざというときに一層頼りになります。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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