2018年1月号「エレベーター閉じ込め、対応訓練」

エレベーター閉じ込めに対する事前準備の訓練を行いましょう

東日本大震災では、都市部を中心にエレベーターの閉じ込め事故が相次ぎました。基本的に新しいエレベーターは、大きな地震の際には最寄り階に止まるシステムにはなっていますが、そのシステムが作動しない場合もありますし、故障することもあります。また、どこかで安全に稼動する機能が遮断されると、安全を保つためにエレベーターを止めるような作動が起こる場合もあります。そのため、万が一エレベーターに乗っているときに大きな揺れを感じたら、各階のボタンを全部押し、開いた階で降りましょう。エレベーターに閉じ込められた場合には、エレベーター内のインターホンや非常電話で外部と連絡を取ります。

東京の被害想定では、東京湾北部地震が発生すると、約7,500台のエレベーターで閉じ込めが発生すると想定されています。大地震に備え、長時間にわたり救出できない場合も想定し、マンションの住民による閉じ込め救助訓練も推進されていますし、エレベーターからの救出方法を学ぶ講習会も各地で開かれています。

マンションには高齢者や乳幼児もおりますので、閉じ込めによる生命の危険も考えられます。住民参加型でエレベーター閉じ込めに対する事前準備の訓練を行うことが非常に重要なことになりますので、訓練の一例を紹介するとともにエレベーター機能の把握をしておくことも大切になりますので事前に確認しておくことをお勧めします。

エレベーター閉じ込め訓練の一例

エレベーター保守会社の技術員などの指導のもとマンション住民がエレベーターの電源を切ることから始まります。停電時でも救助活動中に電気が復旧するとエレベーターが突然動き出す可能性があり、作業中の事故原因となる恐れもあります。電源を切ったことが確認できたら、エレベーターの扉のカギを開ける人、扉を開く人、2人を支える人の3人1組となり、安全を確認しながらエレベーターの扉を開く。エレベーターが階の途中で止まっていることも考えられるので、脚立などを用意して中にいる人を救助する。マンションによって電源や鍵の位置などは変わりますので、専門家や管理組合などを交えた事前確認をしておくことはとても重要です。

専門家の指導のもとエレベーター閉じ込めを想定した、事前準備と訓練を実施しましょう。事前準備の参考として、建物の事前調査、マニュアル作成、安全確保のための事前対策、実地訓練などが必要です。
また、下記を参照に、マンションのエレベーターにどのような機能があるかを事前に確認しておきましょう。

エレベーターの閉じ込め防止装置(機能)

P波感知型地震時管制運転装置

初期微動(P波)を感知すると本震(S波)が到着する前に最寄階に停止してドアを開き、乗客を降ろす装置です。(震源が近い場合には、救出運転中に本震が来ることがあります。)本震(S波)が小さい場合には通常運転に戻りますが、震度4程度以上の揺れを感知した場合には、運転を休止します。このステッカーは、都内のP波感知型地震時管制運転装置のあるエレベーターで、ビルオーナーの同意が得られたものにエレベーター管理会社を通じ、貼付しています。

停電時自動着床装置

エレベーターが停電により階と階との間に停止した場合に、バッテリー電源により自動的にエレベーターのかごを最寄階まで低速運転で着床させた後ドアを開き、閉じ込められていた乗客を救出する装置です。

リスタート運転機能

地震を感知して救出運転中に他の安全装置が作動し階と階の間に停止した場合でも、安全装置が復帰し一定の安全条件が満たされている場合には、かごを最寄階まで低速運転で着床させた後にドアを開き、閉じ込められていた乗客を救出する機能です。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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