2019年11月号「マンションの重要書類を災害から守るには」

マンションの理事会が行う重要な仕事の一つに、重要書類の「保管」や「整理」があります。マンション管理組合の運営には「竣工図書」や「議事録」など重要な書類が使用され、その量は年々増えていく一方です。管理室などにこうした大切な書類が無造作に置かれていると「紛失」や「汚損」などにつながり、これまでの管理組合の重要な履歴が失われることになります。他にも、管理組合の重要書類には「点検報告書」や「修繕履歴」「規約原本」など管理組合の運営に関する書類や、分譲業者などから引き渡しを受けた「設計図書」や「竣工図書」などがあります。こうした書類は災害時にも必要となりますが、マンションの管理室の中の段ボール箱に入りっぱなしになっている、書類の内容や保管場所の引継ぎがなされないということがないように、管理組合の「書類保管の重要性」の認識とともに、「保管方法」が適切であるか確認してみましょう。

書類の保管方法1 管理室や集会室に専用の保管スペース

「管理室」や「マンション内の集会室」に書類保管用の「鍵付きキャビネット」を設けてこれらの重要書類を収納しましょう。一般的にマンションの管理室は「マンション管理会社」や「保守点検業者」などが扉の鍵を保有して自由に出入りできます。ですからマンション内だからと油断せずに、別途鍵のついたキャビネット等に収納することで「紛失」や「盗難」を防ぎます。「修繕工事業者」や「不動産会社」などに、書類の貸出を行なう場合には、紛失しないように貸出記録簿を作成することが重要です。

書類の保管方法2 書類の電子化サービス

「設計図書」や「竣工図書」「大規模修繕工事の実施時の図面」などの大型の書類は、管理室のキャビネットに収納することは困難です。これらの「書類」や「図面」は、単位に保管場所の問題だけでなく「紛失」や「劣化」の心配もあります。こうした書類は、ぜひ電子データ化して保存することをおすすめします。災害時のデータのバックアップとしてもデータ化し信頼のおけるクラウドに置いておくのも一案です。

書類の保管方法3 見やすい探しやすい管理方法

「保管」や「保存」がされていても、書類が多いと探すのに苦労します。保存書類の一覧表」リストを作成して重要書類がどこに保管されているかを重要書類のキャビネットの見やすい場所に設置しておきましょう。インデックスも工夫しつつ「項目ごと」「時系列別」に整理しておくと必要な時にすぐに見られるでしょう。

書類の保管方法4 災害を意識した保管場所

マンションの重要書類は前述したように、一般的には「管理室」や「マンション内の集会室」に保管されることが多いのですが、地震、津波、水害、土砂災害、火災などの自然災害から重要書類を守れる場所であるかを考えることが重要です。事前に自治体が発行しているハザードマップを確認し、地域の災害特性を鑑み保管場所が適切であるか見直す視点も忘れないようにしましょう。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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