2020年7月号「自然災害伝承碑」

防災に関連する新しい地図記号をご存知ですか?

2019年6月に国土地理院が新しい地図記号「自然災害伝承碑」を導入したことをご存知でしょうか?現在、地図記号は約130種類あり、2006年の「老人ホーム」「風力発電用風車」以降13年ぶりに制定されました。右のイラストがまさにその記号なのですが、これは、過去に起きた津波、洪水、火山災害、土砂災害等の自然災害の情報を伝える石碑やモニュメントを表しています。

日本各地において災害が起きたことを後世に伝えようと先人が石碑やモニュメントに刻み残してくれていますが、残念ながらその存在は地元でも知られていないということもあります。まさに、この地図記号を導入するきっかけになったのもその理由からです。

2018年7月の「西日本豪雨災害」で多くの犠牲者を出した広島県坂町で、111年前に起きた大水害の被災状況を伝える石碑があったものの、
「石碑があるのは知っていたが、関心を持って碑文を読んでいなかった。」
「水害について、深く考えた事は無かった。」
という声があり、備えや避難に活かされていませんでした。

国土地理院サイトで自然災害伝承碑の情報を入手しましょう

「東日本大震災」で津波による被害が出た地域やその他の災害でも、その地域に存在する災害の伝承や教訓が活かされなかった事例は多くあります。そのため国土地理院では、災害教訓の伝承に関する地図・測量分野からの貢献として、教訓を踏まえた的確な防災行動により被害を軽減するべく、自然災害伝承碑の情報を地形図等に掲載することにしました。

石碑などの情報は自治体を連携して情報収集し、2019年6月19日より国土地理院のWeb地図「地理院地図」から掲載を開始しています。2020年6月12日現在で12市区町村37基を追加公開(地理院地図)しており、これまでの公開数は47都道府県174市区町村563基となっています。都内でも18個の地図記号を確認することができます。こちらから気になる場所を確認して、防災に活かしましょう。

また、皆様も、地元にある石碑やモニュメントを見つけたら、自治体を通じて国土地理院に情報を提供し、先人の教えを防災に役立ててください。
地理院地図(電子国土Web)

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。

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