2021年1月号「防災公園を知っていますか?」

皆さんは「防災公園」についてご存知でしょうか?
建物が密集している都市において、オープンスペースは災害発生時に一時避難などの役割を担う頼れる場所です。その中でも「防災公園」と呼ばれる公園は、「避難場所」や「活動拠点」に指定され、震災から皆さんの命を守る重要な場所です。今回は、この「防災公園」についてご紹介します。平時は、一般的な公園として子どもの遊び場や地域の方の憩いの場として利用されますが、地震などの災害が起きた時には、様々な防災機能を持つ公園です。

では実際に災害が発生したら、防災公園はどのような機能を果たすのでしょうか。その機能は、「拠点機能」と「避難地機能」に大きく分けられます。

拠点機能について

災害が発生すると、被災地には全国から多くの支援物資や、警察や消防、自衛隊などの支援部隊が集まります。防災公園は、これらの支援物資の集積場所や支援部隊の集合場所など、支援活動の拠点としての機能を持ちます。また、災害で負傷した人の救護活動など、災害医療活動の拠点にもなります。

防災公園の中でも、約10ha以上のものは「地域防災拠点」、50ha以上の非常に広い公園は「広域防災拠点」に区分します。

避難地機能について

また、防災公園は災害時に一時的な避難所として使用されます。防災公園のうち、約2ha以上の比較的小規模なものは近隣住民の緊急避難所である「一次避難地」、約10ha以上のものは周辺の地域の避難者を収容する「広域避難地」としての機能を持ちます。

その他、防災公園には拠点機能や避難地機能以外に、安全な場所に避難するための避難路としての機能もあります。幅員が10m以上ある緑道が避難路として利用します。

近くの防災公園はどこか確認しましょう

防災公園の働きをもつ公園は全国各地に多数あります。東京都の場合、「災害時の拠点機能を持つ都立公園」35ヶ所、「避難地機能を持つ都立公園」58ヶ所があります。これらの東京都建設局の所管する公園は「防災公園」に指定されています。
さらに、東京都公園協会では「避難場所」37ヶ所、「活動拠点」28ヶ所を管理しています。例えば、代々木公園や駒沢オリンピック公園、葛西臨海公園なども、同じく防災公園に指定されています。

防災公園にある設備例

防災公園には一例として、マンホールに設置できる災害対応トイレ、ソーラー発電の公園灯、かまどベンチ、揚水ポンプ、防火水槽、応急給水槽、といった緊急時のためのさまざまな施設や設備が用意されています。

災害時の復旧・救援の拠点や避難地に利用される防災公園は、もしものときに非常に役立つ施設です。ですが、せっかく自宅の近くに防災公園があっても、そのことを知らないままでは上手に活用することができません。お住まいの地域の防災公園はどこにあるのか、どんな設備があるのかをしっかりチェックしておいてください。そして、防災公園では、防災訓練、防災に関するワークショップなどが行われます。このようなイベントに参加すれば、災害や防災について楽しく学ぶことができますし、防災をもっと身近に感じることができるようになりますす。お近くの防災公園で防災イベントがあれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

「自分の住んでいる地域には防災公園はあるか?」「近くの防災情報が知りたい。」という時には、内閣府が運営している「TEAM防災ジャパン」をご覧ください。全国の防災情報が載ったパンフレットやWebサイトを紹介しており、お住まいの地域の防災情報を確認することができます。ぜひ活用しましょう。
TEAM防災ジャパン

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。