2021年2月号「防災を親しめる施設の紹介」

今年は東日本大震災から10年、熊本地震から5年を迎える年です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて被災地に赴くことは叶いませんが、被災地を忘れずに心を寄せながら、さらに防災意識を高めていくことが大切です。

さて、防災意識を高めるために楽しく学べる施設があります。それが「防災センター」です。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言中は外出もままなりませんが、こういった施設があるということを知っていただき、いずれ新型コロナが落ち着いたらぜひ足を運んでいただきたいと思います。

防災センターは全国にあり、大抵は無料で利用できます。近年では、体感型アトラクションや映像シアターなど、ちょっとしたアミューズメント施設のように楽しみながら防災体験ができる「防災体験館」が増えてきました。たとえば、津波の危険が高いところでは想定されている津波高を示す展示や、過去に大きな被害をもたらした災害をクイズや映像などで学べるなど、施設ごとに多様な特徴があり頭と体を動かしながら地域の災害特性や備え方を学べます。そこで今回は、東京都内の防災体験施設を紹介します。

防災体験学習そなエリア東京【江東区】

→ 防災体験学習そなエリア東京HP
(開館やご利用状況については直接お問い合わせください)

震災時には防災拠点にもなる「東京臨海広域防災公園」にある防災体験&学習施設です。

一番の見どころは、「東京直下72h TOUR」。最初のエレベーターで地震が起きて、緊急停止するリアルな状況からスタート。本格的な震災後の町を再現したジオラマ展示の中をクイズに答えながら地震発生から避難生活までを疑似体験していきます。震災時、国や自治体の支援体制が整うまで72時間(3日間)必要とされていて、それまで自力で生存するための知識を身につけることができます。

本所防災館【墨田区】

→ 本所防災館HP
(開館やご利用状況については直接お問い合わせください)

地震、消火、煙、応急手当体験のほか、風と豪雨による台風体験、ドアの開閉が水圧で困難になる都市型水害体験ができます。

国内最大級の煙体験コーナー、防災シアターでは音響システムや振動など、映像や各種体験コーナーがあります。海抜ゼロメートル地帯にあり、地域ごとの洪水の被害想定がわかる映像体験など、様々な視点から防災に関心が持てるような仕掛けがあります。

地震の科学館北区防災センター【北区】

→ 地震の科学館北区防災センターHP
(開館やご利用状況については直接お問い合わせください)

地震に関する知識が学べる展示がそろった「地震の科学館」です。関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災など過去に起こった地震の揺れを体験できる「地震体験」、火事で室内に煙が充満した状況を体験できる「煙体験」ができます。そのほか、訓練用消火器を使った「初期消火訓練」(中学生以上)や、心肺蘇生や応急救護などの体験も可能です。

防災公園の中でも、約10ha以上のものは「地域防災拠点」、50ha以上の非常に広い公園は「広域防災拠点」に区分します。

現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で営業時間の変更や体験施設が制限されていることもありますので、出掛ける前に開催状況を確認してください。

国崎 信江氏プロフィール/危機管理教育研究所 代表 危機管理アドバイザー

【主な経歴】横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員」、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「国崎信江の暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。著書に『地震の準備帖―時間軸でわかる心得と知恵』(NHK出版)『サバイバルブック―大地震発生その時どうする? 』(日本経済新聞出版社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『これ1冊でできる!わが家の防災マニュアル』(明治書院)などがある。