国崎信江氏プロフィール
内閣府「中央防災会議首都直下型地震避難対策等専門調査会」専門委員、土木学会の「巨大地震災害への対応検討特別委員会」委員などの経験から、危機管理アドバイザーとして、現在は文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員会」委員、消防庁「地域防災計画における地震・津波対策の充実・強化に関する検討会」委員、気象庁「緊急地震速報評価・改善検討会」委員を兼任。全国で防災・防犯対策の講演を行う傍ら、各メディアにも多数出演し、防災・防犯情報に関する啓蒙活動に注力。『マンションみんなの地震防災BOOK』(株式会社つなぐネットコミュニケーションズ発行)をはじめ著書多数。
- まず最初の約1時間は、ここ約2年間、防災等に関するアドバイス等をいただいている危機管理コンサルタント国崎信江氏の講演でした。「被災後に特別な生活をするのではなく、被災後もそれまでと同じ生活を続けることが「防災」なんです。」と食料備蓄等について具体例を交えてお話しいただき、今までの常識との違いに若干戸惑いながらも、次第に引き込まれていく参加者の皆様の様子が伺えました。
- マンションならではの「防災対策」についての話しもありました。 想定震度と階数によって揺れ方が異なることを踏まえて家具や家電などを固定すべきという話しや被災後もマンション居住者は避難所に行くのではなく、マンション内で滞留生活を続ける前提で「備え」をすべしという話しには納得の表情も。

- さらに、フォトフレーム一つが凶器になって子供が失明しかけたというショッキングな事実を例に挙げ、照明やインテリア雑貨の選び方も大切だという話しには、「このセミナー後、早速買い替えに行きます!」という方もいらっしゃいました。最後に、被災時にマンション全体を機能させるため、各種様々なルールを取り纏めた「防災マニュアル」の装備とその前提でもある日頃からのコミュニティづくりが大切だという話しをいただきました。

- 「続いて、入居者参加型のゲームを約30分間行いました。
- このゲームは、災害時のシミュレーションをしながら極限状態での判断を問うもので、「あなたならどうする?」の問いかけに、一人ひとり考え方が違ったり、自らの様々な事情により判断に窮する様子が印象的でした。災害時には普段考えもしないような判断を迫られることがあります。ただその対応には必ずしも正解があるとは限りません。大切なことは一人ひとりの考えを尊重し、協力しあうこと。そんなことに気付かされたゲームでした。
- 国崎氏はこう語ったのち、上下セパレートの家具を固定するためには、従来型のビス留めよりも、最新型の連結用シートが簡単で効果的、食器棚や本棚に滑り止めシートを敷くだけで被害は減らせる、など、身近で効果的な対策を提案してくださいました。最後には「写真立てなど小さなものでも飛べば凶器になる。ガラスのフレームではなく布や革のフレームがおすすめ」など意外なポイントも指摘され、参加者も驚きつつ納得という雰囲気に包まれました。
